平成20年度リスク評価対象物質に係る労働者の健康障害防止対策の徹底
について |
改正履歴
基安発0201第5号
平成22年2月1日
都道府県労働局長 殿
厚生労働省労働基準局安全衛生部長
平成20年度リスク評価対象物質に係る労働者の健康障害防止対策の徹底について
平成20年度「化学物質による労働者の健康障害防止に係るリスク評価検討会」においてイソプレン等20
物質について初期リスク評価を行い、今般その報告書が取りまとめられたところである。本報告書を踏ま
え、物質のリスクレベルごとに下記1〜3のとおり労働者の健康障害防止対策について取りまとめたので、
関係事業者等に対し、周知徹底を図られたい。
なお、本件については、別添1により関係事業者団体等の長に対して傘下会員事業者への周知等を要請
したので了知されたい。
また、報告書の概要を別添2として添付するとともに、検討会の報告書及び関係資料を厚生労働省のホ
ームページ(http://www.mhlw.go.jp/shingi/other.html#roudou)に掲載しているので確認されたい。
記
1 高いリスクが認められたためさらに詳細なリスク評価が必要な物質について
次の7物質については、リスク評価の結果、一部の事業場において労働者に健康障害を発生させるリス
ク(以下単に「リスク」という。)が高いことが確認されたため、平成21年度において、引き続き詳細な
リスク評価を行い、その結果によりリスクの高い作業を明らかにするとともに、当該作業に係るリスク
低減措置について検討する。ただし、これらの物質は、有害性の高い物質であり、かつ、事業場におい
て適切な管理がなされていない可能性があることから、平成21年度における詳細なリスク評価の結果を
待たず、速やかに労働安全衛生法(昭和47年法律第57号。以下「法」という。)第28条の2第1項の規定に
基づき、当該物質に関し有害性等の調査を行い、その結果に基づいて労働安全衛生規則(昭和47年労働省
令第32号。以下「安衛則」という。)第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ず
ることにより、リスクの低減がなされるよう、都道府県労働局及び各労働基準監督署(以下「労働局等」
という。)は関係事業者等に対し周知徹底すること。
(1) 2−クロロ−1,3−ブタジエン
(2) コバルト化合物(塩化コバルト及び硫酸コバルトに限る。)
(3) 酸化プロピレン
(4) 1,4−ジクロロ−2−ブテン
(5) 2,4−ジニトロトルエン
(6) ジメチルヒドラジン
(7) 1,3−プロパンスルトン
(注) 1,3−プロパンスルトンは、測定結果は定量下限値未満であったが、この物質は動物実験において
極めて強い発がん性が認められたことから、使用動向、作業実態等について引き続き調査を行うべき
ものとされた。
2 上記1に比べてリスクは高くないものの事業場での適切な管理が必要な物質について
次の7物質については、リスク評価の結果、上記1に比べてリスクが高くないと確認されたものの、有
害性の高い物質であり、かつ、事業場において適切な管理がなされていない場合にはリスクが高くなる
可能性があることから、法第28条の2第1項の規定に基づき、当該物質に関し有害性等の調査を行い、そ
の結果に基づいて安衛則第576条、第577条、第593条、第594条等の規定に基づく措置を講ずることによ
り、リスクの低減に努めるよう、労働局等は関係事業者等に対し周知徹底すること。
(1) 2,3−エポキシプロピル=フェニルエーテル
(2) 4,4’−ジアミノジフェニルエーテル
(3) 4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジフェニルメタン
(4) 2,4−ジアミノトルエン
(5) ヒドラジン(ヒドラジン一水和物を含む。)
(6) 4,4’−メチレンジアニリン
(7) 2−メトキシ−5−メチルアニリン
3 リスクは低いものの各事業場において引き続き適切な管理を行うべき物質について
次の6物質ついては、リスク評価の結果、事業場において一般的に適切な管理がなされているためリス
クは低いことが確認されたものの、有害性の高い物質であることから、必要に応じて安衛則第576条、第
577条、第593条、第594条等に基づく措置を講ずるほか、事業者による自主的な管理を推進するよう、労
働局等は関係事業者等に対し周知徹底すること。
(1) イソプレン
(2) オルト−アニシジン
(3) オルト−ニトロトルエン
(4) ベンゾ[a]アントラセン
(5) ベンゾ[a]ピレン
(6) ベンゾ[e]フルオラセン
別添2(PDF:228KB)